Chromeのユーザープロフィール機構の仕組み、活用の仕方を備忘録します。
■ 動作環境
OS: Windows 10 Home(64ビット)
Chrome: 95.0.4638.54(64ビット)
■ Chromeのユーザープロフィールとは
Chromeブラウザの利用状態(Webサイトの参照履歴やブックマーク、認証画面でのログインパスワードなど)は、「ユーザープロフィール」と呼ばれる機構で管理されます。
ユーザープロフィールは、Chromeブラウザ上の「ユーザー」ごとで管理され、ユーザーに紐づいた利用状態は、(ローカルドライブ上では)それぞれ別の「フォルダ」配下に保存されています。
ユーザープロフィールの関連項目には、次のようなものがございます。
プロフィールディレクトリ(–profile-directory)
1ユーザープロフィールが格納されるフォルダを示します。
1ユーザの利用状態は、この名称のフォルダ配下に格納されます。
ユーザーデータディレクトリ(–user-data-dir)
全ユーザープロフィールが格納される(フルパス)フォルダを示します。
プロフィールディレクトリは、このフォルダの配下に作成されますので、各プロフィールディレクトリを束ねる親フォルダの位置づけとなります。
なお、プロフィールディレクトリは、Chromeへアカウントを追加した順に作成され、次のように命名されます。
Default(Chromeへ最初にログインしたアカウント)
Profile 1(新しく1番目に追加したアカウント)
Profile 2(新しく2番目に追加したアカウント)
...
■ ユーザープロフィール設定内容の確認方法
使用中のユーザーのデータ(ユーザープロフィール)が格納された場所は、以下の手順で確認することができます。
① Chrome を起動します。
② アドレスバーに「chrome://version」と入力し Enter キーを押します。
「プロフィールパス」項目欄の値が、その時使用されているユーザープロフィールが格納された場所です。「プロフィールパス」は、(この画面例の場合は)以下の構成となっています。
プロフィールディレクトリ
末端の枝要素「Default」
ユーザーデータディレクトリ
ユーザープロフィール名より前までのパス要素「C:\Users\(Windowsログインユーザ名)\AppData\Local\Google\Chrome\User Data」
■ Selenium Basicにおける動作
Selenium BasicでChromeDriverを利用する場合に何も指定しないと、ユーザープロフィールは一時ディレクトリに作成され、終了後に破棄されます。
ユーザーデータディレクトリ(–user-data-dir)を指定して、 プロフィールディレクトリ(–profile-directory)を指定しない場合
–user-data-dirで指定したフォルダ配下のデフォルトのプロファイル(通常はDefault)を使用します。
指定したディレクトリが存在しない場合
指定された名称でユーザーデータディレクトリやプロフィールディレクトリが自動で作成されます。
任意のWebサイトへアクセスする際に必要になるログイン情報をSelenium Basic実行時に流用したい場合は、その内容が保存されたユーザーデータディレクトリやプロフィールディレクトリを意図的に指定しましょう。
■ まとめ
ユーザーデータディレクトリとプロフィールディレクトリの考え方を混合する方がたまにいらっしゃいますので、ご注意くださいね。^^
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