Gmail:受信メールを監視してスプレッドシートへ自動転記 2(スレッドID記録)
- egachira0250
- 5 日前
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更新日:4 日前
Gmailに届いたメールをGoogle Apps Script(GAS)を使ってスプレッドシートに自動転記する方法は、業務効率化に非常に役立ちます。しかし、処理済みメールと未処理メールをどう区別するかが非常に重要です。処理済みのメールを再び転記してしまうと、重複データが発生し、業務に支障をきたすおそれがあります。
本記事では、メールの自動転記における「処理済み管理」の方法について、以下の4つのアプローチを紹介すると共に、「スレッドID記録」の具体的な実装方法を説明します。
■ 動作環境
OS: Windows 10 Home(64ビット)
Chrome: 136.0.7103.93(Official Build) (64 ビット)
■ 処理済み管理の4つの手法
手法 | 概要 | メリット | デメリット |
---|---|---|---|
ラベル管理 | 処理済みのメールに専用ラベルを付ける | 視覚的にわかりやすい/Gmail上でも確認可 | ラベルの付け忘れ・重複処理の可能性 |
スレッドID記録 | スレッドIDをスプレッドシートやプロパティに保存 | 転記済みの判別が確実 | スクリプトがやや複雑/プロパティ制限あり |
件名+日時ハッシュ | 件名と日時で一意キーを生成して判別 | 実装がシンプル | 類似メールで誤判定の可能性あり |
未既読管理 | 未読メールのみを転記、処理後に既読に | 実装が簡単/Gmail標準機能と連携しやすい | 既読操作で誤判定のリスク/チーム運用に不向き |
この中で今回は、スレッドIDを使った管理方法について詳しく解説します。
■ スレッドIDを活用したGmail転記スクリプトの作り方
□ 基本的な仕組み
Gmailの受信トレイから特定条件でスレッドを取得
スレッドIDが既に記録されているかチェック
記録がなければスプレッドシートに転記
転記後にスレッドIDを記録用の別シートやプロパティに保存
□ スクリプト案
GmailAppのsearch(query):Gmailから条件に合うスレッドを検索
getId():スレッドの一意なIDを取得
getMessages():スレッド内のメッセージ一覧を取得
appendRow():スプレッドシートにデータまたはIDを記録
■ パフォーマンスの注意点と改善方法
スレッドID方式は強力な重複防止ですが、 GmailAppのsearch('label:inbox') で毎回すべての受信メールを検索すると、メール件数が多いアカウントではパフォーマンス低下の原因になります。
次のような対策で効率を改善できます。
□ 対策1:検索範囲を絞る
これで直近7日以内のメールに限定できます。
□ 対策2:未既読方式と併用(未読メールのみに限定)
転記後に既読にすることで、次回以降は対象外にできます。
■ まとめ
Gmailの受信メールを自動的にスプレッドシートへ転記する処理において、処理済み管理は非常に重要なポイントです。今回紹介した「スレッドID記録方式」は、転記の重複を高精度で防ぐ方法として非常に効果的です。
ただし、実行対象のスレッドが多くなればなるほど、パフォーマンスへの配慮も必要になります。今回紹介した検索条件の工夫や未既読の併用によって、処理効率を高めながら安定運用が可能になります。
ぜひこの記事を参考に、あなたの業務に合ったメール転記システムを構築してみてください。
その他の粋な備忘録も、合わせてご覧ください。 (参考備忘録)Gmail:一括メール送信 (参考備忘録)Gmail:受信メールを監視してスプレッドシートへ自動転記 1(ラベル管理) (参考備忘録)Gmail:受信メールを監視してスプレッドシートへ自動転記 2(スレッドID記録) (参考備忘録)Gmail:受信メールを監視してスプレッドシートへ自動転記 3(件名+日時ハッシュ) (参考備忘録)Gmail:受信メールを監視してスプレッドシートへ自動転記 4(未既読管理) |
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