Gmail:受信メールを監視してスプレッドシートへ自動転記 4(未既読管理)
- egachira0250
- 3 日前
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Gmailに届いたメールをGoogle Apps Script(GAS)を使ってスプレッドシートに自動転記する方法は、業務効率化に非常に役立ちます。しかし、処理済みメールと未処理メールをどう区別するかが非常に重要です。処理済みのメールを再び転記してしまうと、重複データが発生し、業務に支障をきたすおそれがあります。
本記事では、メールの自動転記における「処理済み管理」の方法について、以下の4つのアプローチを紹介すると共に、「未既読管理」の具体的な実装方法を説明します。
■ 動作環境
OS: Windows 10 Home(64ビット)
Chrome: 136.0.7103.93(Official Build) (64 ビット)
■ 処理済み管理の4つの手法
手法 | 概要 | メリット | デメリット |
---|---|---|---|
ラベル管理 | 処理済みのメールに専用ラベルを付ける | 視覚的にわかりやすい/Gmail上でも確認可 | ラベルの付け忘れ・重複処理の可能性 |
スレッドID記録 | スレッドIDをスプレッドシートやプロパティに保存 | 転記済みの判別が確実 | スクリプトがやや複雑/プロパティ制限あり |
件名+日時ハッシュ | 件名と日時で一意キーを生成して判別 | 実装がシンプル | 類似メールで誤判定の可能性あり |
未既読管理 | 未読メールのみを転記、処理後に既読に | 実装が簡単/Gmail標準機能と連携しやすい | 既読操作で誤判定のリスク/チーム運用に不向き |
この中で今回は、未既読管理を使った管理方法について詳しく解説します。
■ 未既読管理方式を活用したGmail転記スクリプトの作り方
□ 基本的な仕組み
Gmailの受信トレイから「未読」かつ「特定件名」のメールを取得
各メールの情報をスプレッドシートへ転記
処理後にメールを「既読」に変更
□ スクリプト案
GmailAppのsearch(query):検索条件を指定。
is:unread で未読メールのみを処理対象とすることで、すでに転記済みのメールを除外します。
subject:"お問い合わせ" を組み合わせることで、特定の業務メールだけに限定します。
getMessages():スレッド内のメッセージを取得
getDate():受信日時の取得
getFrom():送信者の取得
getSubject():件名の取得
getPlainBody():メール本文(テキスト形式)
appendRow():スプレッドシートへ書き込み
markRead():メールを既読に変更
□ 実運用時の課題:他ユーザー操作による既読化の影響
この方式では、未読状態のメールだけを転記対象とするため、他のユーザーがGmailを開いて既読にしてしまった場合、そのメールが転記対象から外れてしまうという課題があります。
たとえば、チームでGmailアカウントを共有していると、他のメンバーがうっかり開封してしまい、転記処理が行われないといった「見落とし事故」が発生する可能性があります。
■ まとめ
Gmailの受信メールを自動でスプレッドシートに転記する際、重複防止のための「処理済み管理」は不可欠です。今回紹介した「未既読管理方式」は、シンプルかつ導入が容易な方法として、初心者や個人での利用に最適です。
ただし、チーム利用や他ユーザーの関与がある環境では、既読操作による誤動作や見落としのリスクも存在するため、検索条件の工夫や運用ルールの整備が成功のカギとなります。用途や規模に応じて、他の管理方式(スレッドID記録やラベル管理)と組み合わせることで、より堅牢な運用を実現できます。
その他の粋な備忘録も、合わせてご覧ください。 (参考備忘録)Gmail:一括メール送信 (参考備忘録)Gmail:受信メールを監視してスプレッドシートへ自動転記 1(ラベル管理) (参考備忘録)Gmail:受信メールを監視してスプレッドシートへ自動転記 2(スレッドID記録) (参考備忘録)Gmail:受信メールを監視してスプレッドシートへ自動転記 3(件名+日時ハッシュ) (参考備忘録)Gmail:受信メールを監視してスプレッドシートへ自動転記 4(未既読管理) |
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