GAS：関数の共通化（ライブラリ化）

Google Apps Script（GAS）は、複数のスクリプトで共通の関数を利用できる「ライブラリ共有」という強力な機能を持っています。この記事では、ライブラリの基本設定や使い方を初心者向けに分かりやすく解説します。さらに、同じアカウント内での簡単な利用方法や、外部ユーザーと共有する場合の注意点も取り上げます。

■ ライブラリを提供する側

（１）ライブラリ化するプロジェクトを準備

共有したい関数が含まれるGoogle Apps Scriptプロジェクトを用意します。例として次の関数を共有すると仮定します。

（２）デプロイ

外部ユーザーが利用する場合や、バージョン管理が必要な場合、次の手順で公開します。

※同じGoogleアカウント内、または特定の共有ユーザー間で利用する場合、この後説明するScript IDを直接指定するだけで利用可能です。

GASエディタ上で、[ヘッダー]メニュー内の「デプロイ」－「新しいデプロイ」をクリックします。
「新しいデプロイ」ダイアログ内の左カラム上部にある「歯車アイコン」－「ライブラリ」をクリックします。
改めての「新しいデプロイ」ダイアログで必要に応じて「新しい説明文」の値を入力していきます。
改めての「新しいデプロイ」ダイアログで「デプロイを更新しました」と表示されれば手続き完了です。

（３）スクリプトIDの確認

左側メニューの歯車アイコン「プロジェクトの設定」を選択します。
プロジェクトの設定画面下（中段ぐらいまでスクロールします）のID欄の「コピー」をクリックし、スクリプトIDをコピーします。

このIDがライブラリとして使用する際の識別子になります。

■ ライブラリを利用する側

（１）ライブラリの追加

GASエディタで、ライブラリ欄の横の[+]をクリックします。
ライブラリ提供者から受け取ったスクリプトID を入力してライブラリを検索します。
[バージョン]、[ID]を必要に応じて修正します。
1. バージョン：常に最新のスクリプト内容を参照する方針の場合は、HEAD（開発モード）を指定します。それ以外は妥当なバージョン番号を指定ください。
2. ID：利用する側でライブラリの関数をコールする際に利用する識別子となるので、分かりやすい名前を付与することをおすすめします。
登録が無事終わると、ライブラリ欄の下に追加されます。

（２）ライブラリの利用

追加したライブラリの関数を次のように使用します。

common.debug()：ライブラリ化された側のdebug関数をコールするため、識別子（ID）の「common」を接頭語として指定します。

（３）実行結果

■ まとめ

Google Apps Scriptのライブラリ機能を活用することで、複数プロジェクトで同じ関数を使い回すことができ、開発効率が大幅に向上します。利用目的に応じて、デプロイの必要性やスコープを調整することが重要です。

本記事を参考に、ぜひGoogle Apps Script（GAS）のライブラリ共有を活用してみてください！